開業シリーズ⑤|メニューと原価をAIで詰めたら計算は速い|でも季節と料理のプライドは渡さない
開業の店名まで決めた続き。料理人の本丸=メニューと原価・値付けをAIと詰めた記録。原価も希望価格もサッと出してくれて、無駄に頭をひねらなくていいのは本当に便利。ただしAIの原価は季節による変動を見ていない――現場の原価は生き物。そして原価が高くても料理そのものは変えない、これは料理人のプライド。計算係はAI、季節とプライドは自分、という線引きの話。
2026年8月31日(更新:2026年8月31日)
開業シリーズも5本目。店名まで決まってきて、今日はいよいよ料理人の本丸——メニューと原価を、AIと詰めてみました。前に原価計算をAIにやらせたことはありましたが、今回は「開業する店のメニュー」として、原価と値付けまで通して相談しました。
AIは、原価と値段を「サッと」出す
まず、便利だった点から。
考えているメニューを伝えると、原価も、希望する価格も、すぐに出してくれるんです。「この料理なら原価はこのくらい、価格はこのくらいが妥当」と、パッと返ってくる。値付けって、ひとりでやると無駄に頭をひねって時間が溶けるんですが、そこを余計に悩まなくていいのは、本当に助かりました。
でも、「季節の原価」を見ていない
ただ、料理人として、すぐに引っかかったところがあります。
AIが出してくる原価は、季節による変動を考えていないんです。実際の仕入れは、旬や天候、相場でどんどん上下する。夏に安い野菜が冬は倍、なんて当たり前。現場の原価は生き物で、一年を通して同じ数字じゃない。AIの計算は正確そうに見えて、その"揺れ"が丸ごと抜けている。ここは、実際に厨房に立っていないと分からない部分だと思います。
そして、原価のために料理は変えない
もうひとつ、これは自分の中で絶対に譲らないところです。
原価が高いからといって、味を落としたり、料理そのものを変えたりはしません。 これは、料理人としてのプライドです。値付けを工夫したり、出し方を変えたりして調整はする。でも、「原価に合わせて料理の中身を妥協する」ことはしない。AIは"数字の最適解"を出してくるけれど、そこに乗せられて料理を変えたら、自分の店じゃなくなる。
だから、AIは「計算係」として使う
結局、役割分担です。
面倒な原価計算や値付けの叩き台は、AIにサッとやってもらうのがいちばんです。でも、季節による原価の揺れと、料理そのものの中身は、自分が握るべき。計算はAI、現場とプライドは自分。この線引きが、今回のいちばんの学びでした。
まとめ
- 開業シリーズ⑤。メニューと原価・値付けをAIと詰めた
- AIは原価も価格もサッと出すので、無駄に悩まなくて済む
- ただし季節による原価の変動を見ていないのが弱点。現場のリアルが抜ける
- そして原価のために料理は変えないという一線。ここは料理人のプライド
- 使い方は計算係=AI/季節とプライド=自分
AIは、面倒な計算をサッと片づけてくれる優秀な相棒です。でも、原価が季節で揺れることも、その料理に懸けたプライドも、数字には映らない。だからこそ、そこは自分が握る。開業を考えるほど、「AIに任せる部分」と「自分が譲らない部分」の線が、はっきりしてきました。
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