取引先へのメールをChatGPTに書かせるのをやめた話|信用商売に「AIくささ」は要らない
取引先へのお願いメールをChatGPTに書かせてみたら、出てきたのは「悪くないけどAIくさい」文章でした。料理は信用商売。顔の見えない言葉を送るのはよくない、と思ってメールはAIに任せていません。でもAIを全部やめたわけじゃない。「AIくささが致命傷になる場所」と「ならない場所」の線引きを、現役料理人が正直に書きます。
2026年8月14日(更新:2026年8月14日)
AIの記事を書いている自分が言うのもなんですが——メール文だけは、AIに書かせるのをやめました。
最初は便利だと思って試したんです。取引先への「お願いメール」。でも、出てきた文章を読んで、送るのをやめました。今日は、その話を正直に書きます。
取引先へのお願いメールを、AIに書かせてみた
料理人、実はかしこまった文章が得意じゃありません。現場は口頭とLINEで回っていて、きちんとしたメールを書く機会がそもそも少ない。だから、取引先への「ちょっと無理を聞いてほしいお願い」を、AIに頼んでみたんです。
要件を伝えたら、体裁の整った、丁寧なメールがすぐ出てきました。誤字もない。敬語も正しい。悪くない。悪くないんです。
でも、送れませんでした。
出てきたのは「AIくさい」文章だった
読み返して思ったのは、ひとことで言うと——AIくさい。
どこがと言われると難しいんですが、丁寧すぎて、つるっとしていて、自分の言葉じゃない。相手の顔を思い浮かべながら書いた文章じゃない、というのが透けて見える気がしたんです。
いつも顔を合わせている取引先に、急にテンプレみたいなきれいなメールが届いたら、たぶん「あれ?」となる。丁寧なのに、かえって距離を感じさせる。それが「AIくささ」の正体だと思いました。
料理は信用商売。顔の見えない言葉は送れない
突き詰めると、これに尽きます。料理は信用商売です。
食材を融通してもらうのも、無理なお願いを聞いてもらえるのも、日々の付き合いで積み上げた信用があるから。その関係のやりとりに、(比喩的な意味で)人の顔が見えない言葉を送るのは、やっぱりよくない。
多少ぎこちなくても、誤字があっても、自分の言葉で書いたメールのほうが伝わる。少なくとも、取引先とのやりとりでは、うまさより「自分が書いた」ことのほうが大事だと思っています。だから今は、メールはAIに任せていません。これは、AIに頼ってはいけない場面のひとつだと、自分の中でハッキリしました。
じゃあAIは何に使ってる?「顔が見えなくていい作業」に回す
とはいえ、AIを全部やめたわけじゃありません。むしろ毎日使っています。やめたのは「メール」だけです。
分け方はシンプルで、顔が見えなくていい作業にはどんどん使う。
こういう「誰が書いても同じでいい」「相手に届くのは中身だけ」という作業は、AIの独壇場です。ここに人間らしさは要らない。AIくさくても困らない場所だからです。
逆に、メールみたいに「誰が・どんな気持ちで書いたか」が相手に伝わってしまう場所では、AIくささが致命傷になる。この線引きさえできれば、AIは怖くありません。
まとめ
- 取引先へのお願いメールをAIに書かせたら、丁寧だけど「AIくさい=自分の言葉じゃない」文章が出てきた
- 料理は信用商売。顔の見えない言葉を送るのはよくないと思い、メールはAIに任せていない
- でもAIは毎日使う。「顔が見えなくていい作業」(計算・要約・壁打ち)に回す
- 分かれ目は「AIくささが致命傷になる場所か、ならない場所か」
AIは、なんでも任せればいいものじゃありません。任せない場所を決めるのも、使いこなしのうちだと思っています。あなたの仕事にも、「ここだけは自分の言葉で」という場所、きっとありますよね。
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